米国では昨年、現金自動預払機(ATM)から現金を盗み出そうとする事件が、2倍以上に増加した。都市で起きた社会不安に乗じたものもあり、新型コロナウイルスの感染拡大で銀行が閉まっていた際にATMにストックされている現金の量が通常よりも多くなっていたことを狙ったものもあったという。ATMの警備を担当する複数の企業が明らかにした。10カ国で28万5000台のATMを運営管理するカードトロニクスのバイスプレジデント、ジャック・バーンズ氏は「襲撃の形態には、手工具から爆発物や自動車を使った破壊行為まであらゆるものがあった」と語った。銀行や信用組合にセキュリティー技術を提供している3SIセキュリティー・システムズ(ペンシルベニア州マルバーン)が警備しているATMでは、2019年と比べ2020年にはATMからの窃盗を狙った行為が約150%急増した。ATM産業協会が行った調査では、ATMからの窃盗は20182019年に50%超増加した。パンデミックの影響で、同協会は2020年の調査を実施していない。
コロナで増えた米国のATM窃盗事件、大量の現金も背景
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