米連邦準備制度理事会(FRB)の仕事は、株式市場が上昇をやめたときの方が楽かもしれない。だが今のところ、FRBが市場の邪魔をしようとするリスクはほとんどない。株価のバリュエーションは割高なように見える。一部の市場観測筋にとっては、バブル警報が鳴り始めている。株価収益率(PER)やCAPEレシオ(過去10年の純利益にインフレ率を調整したPER)など複数の指標を見ると、ドットコム・バブルの期間を除いて株価がこれほど高い水準にあることはこれまでなかった。加えて、ゲームストップ株急騰で目にした大量の投機的売買と株価の乱高下は、過去のバブルの特徴でもある。FRB当局者は、バブルは自分たちの管理権限外だと考えていたが、2008年の金融危機がそれを変えた。金融危機は、経済を気にするのであれば、金融市場の行き過ぎを懸念すべきという痛い教訓をもたらした。だが今のところ、FRBは株式市場への関与に関心はないと明言している。2日間にわたる連邦公開市場委員会(FOMC)会合後の記者会見で株式市場についてコメントを求められたジェローム・パウエルFRB議長は27日、FRBが監督する資産市場や銀行などの金融分野全般で、「脆弱(ぜいじゃく)性は総じて穏やか」だと述べた。
パウエル氏、このバブル(まだ)はじけさせない訳
FRBは米国株は危険なほど割高ではないとみている
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