旅行業界は新型コロナウイルス検査を国外旅行に通常組み込まれているものとして定着させようと対応を急いでいる。目的はキャンセルの抑制と旅行需要の喚起だ。米疾病対策センター(CDC)は1月12日、米国に入国する全ての人に、出発72時間以内の新型コロナ検査を義務付けると発表した。これを受けて、旅行業界は宿泊客や航空機の乗客が簡単に検査を受けられる態勢づくりに一斉に動き出した。CDCの要件を満たすのはPCR検査と迅速抗原検査で、迅速抗体検査は含まれない。旅行業者によると、CDCの発表を受けて混乱が広がり、予約のキャンセルが出た。旅行代理店が販売した航空券を処理するエアラインズ・リポーティング・コーポレーション(ARC)によると、12月の航空券の売上高は国内旅行、国外旅行ともに前年同期の40%だった。この傾向は1月に入っても続いたが、CDCの発表後に明暗が分かれた。速報データによると、1月31日までの週で、国内旅行の航空券売上高は2019年比で40%近くにとどまったが、国外旅行は23%にまで落ち込んだ。