クレディ・スイス・グループに所属するプライベートバンカーが裕福な顧客から資金を盗み続けていた件を巡り、同行はその兆候を数年にわたって見逃していた。スイス金融市場監督機構(FINMA)向けに法律事務所がまとめた報告書から明らかになった。  このバンカーはパトリス・レスコドロン氏で、同氏は2018年、詐欺と偽造の罪で禁錮5年の判決を受けた。ジュネーブの裁判所によれば、レスコドロン氏は顧客の署名を偽造して資金を迂回(うかい)。顧客に無断で株式を購入し、1億5000万ドル(約158億円)余りの損失を生じさせていた。