ゲームストップの暴騰劇は多くの人を動揺させた。空売りしていたヘッジファンドは、ゲームストップ株価が5日間で10倍に値上がりに急騰する中で砕け散った。手っ取り早くもうけようと後発組ながら参戦した新規の買い手も、株価が高値から80%も値下がりしたことで多額の損失を負った。当初から資金を投じていた投資家でさえ、にわかに積み上がった富の多くが消滅したことで不満を抱えているはずだ。ウォール街や決済システム、人気のブローカーであるロビンフッドに対する信頼は、すべて大きく損なわれた。そして左派から右派に至るまで、市場の混乱に乗じた政治家が自らの政策に追い風になる動きに飛びついた。しかし、投資家は市場全体の底堅さにかなり安心したかもしれない。奇妙に思えるかもしれないが、まあ聞いてほしい。先週は、損切りを迫られたヘッジファンド勢のポジション解消によって株式市場が動揺。空売りが積み上がっていた銘柄が急騰する一方、残りは下落した。ボラティリティーも跳ね上がった。S&P500種指数は2日間としては10月以来の下げとなり、ポジション巻き戻しの影響は大手ヘッジファンドが経営破たんした場合の連鎖反応に対する懸念でさらに増幅された。