新型コロナウイルスの発生源を調査するため中国の武漢を訪れている世界保健機関(WHO)調査団は9日、ウイルスは動物から動物に感染した後でヒトに感染した可能性が最も高く、研究所から流出したとは非常に考えにくいとの認識を示した。WHO調査団を代表して会見したデンマークの食品衛生専門家ピーター・ベンエンバレク氏は、新型コロナの起源について、中国政府が主張しているように冷凍食品からヒトに感染した可能性もあるとしながらも、例えばコウモリから他の小型ほ乳類に感染し、小型ほ乳類からヒトに自然感染した可能性が最も高いとの見方を示した。WHO調査団は新型コロナの起源とされる武漢の華南海鮮市場の環境サンプルのほか、地元の200余りの医療施設の事例や大量の生物サンプルを調べた。その結果、同市場は感染の急拡大が始まった場所の一つだが、そもそもウイルスがどのように市場にたどり着いたかを解明するのは不可能だと説明した。