ビッグオイル(巨大石油企業)は中国の輸入が旺盛な状態には慣れている。だが、中国のエネルギー企業は、石油需要のピークを2020年代半ば頃に見据え始めている。石油精製中国最大手の中国石油化工(シノペック)は12月、同国の石油製品需要が2025年にピークを迎えるとの予想を示した。この予測は野心的であることが今後判明するかもしれないが、過去1年間の出来事を考えてみれば、中国の需要ピークの到達がそれほど遠くない可能性があることが示唆されている。中国は昨年9月、2060年までにカーボンニュートラル経済を達成することを約束した。電気自動車(EV)市場は、ゼネラル・モーターズ(GM)からアップルまであらゆる企業の参入で覇権争いが本格化しており、バイデン米大統領の就任で投資家の意欲も高まっている。一方で米中関係は依然極めて緊迫しており、大量石油輸入に依存していることや地政学的危機の際の混乱に脆弱(ぜいじゃく)であることに関して、中国政府の不快感が急速に高まっていることを意味している。中国は抜きんでて世界最大の原油輸入国であり、2020年の輸入量は日量1000万バレルを超えた。