バイデン米政権のスタートは、希望に満ちているとはとても言えないものになった。同政権は発足から1カ月足らずで、既に中国、ロシア、イランとの論争に巻き込まれている。そして民主党員の多くが期待したかもしれない状況とは違って、米国の同盟諸国がジョー・バイデン大統領の2月4日の「米国が(世界の舞台に)戻ってきた」との発言を、それほど歓迎していないことも分かってきた。アジアでは、バイデン政権の対ミャンマー政策の受けもあまり良くない。同政策は、制裁によって軍の行動に不快感を示しながらも、軍の統治能力には実質的に影響を及ぼさないものだった。2月15日にはインドの外相が、地域インフラプロジェクトでの同国と日本の協力を称賛したが、このプロジェクトはミャンマーと周辺諸国のリンクを構築するものだった。こうした動きは、インドが米政府の意向にかかわらず、ミャンマーとの協力を推進したいと考えていることを示唆しており、そのやり方はさりげないとは言いがたい。さらに、インドの与党、インド人民党(BJP)を支持するマスコミの多くは、カマラ・ハリス米副大統領のめいであるミーナ・ハリス氏がBJPの政策に抗議する人々の側に立っているように思えることに怒っている。