【パリ】フランスでは上級社会を舞台にした未成年者への性的虐待を巡るスキャンダルが発覚し、大きな衝撃を与えている。これをきっかけに、未成年者が性犯罪の被害者になる温床とも指摘される文化的認識や法制度を見直す機運が高まっている。  フランスの有力な政治家・知識人一家の一員、カミーユ・クシュネル氏は先月出版した回顧録の中で、憲法学者で元欧州議会議員でもあるオリビエ・デュアメル氏を告発。デュアメル氏はクシュネル氏の双子のきょうだいに対し14歳頃から性的虐待を加えていたと暴露した。  こうした告発をきっかけに、デュアメル氏への刑事捜査が開始された。