中国の電子商取引大手アリババグループ傘下の金融会社アント・グループの井賢棟(エリック・ジン)会長は、社内ウェブサイトに掲載された文書で、いずれは新規株式公開(IPO)を行うという姿勢を示すとともに、社員が保有する一部株式をマネタイズ(現金化)できる方法を模索すると述べた。文書を閲覧した複数の関係者によると、ジン氏は、アント経営陣が報酬とインセンティブの見直しを進め、社員向けの解決策をまとめていると説明。同社に近い複数の関係者によると、この解決策は、社員が保有する一部株式を買い戻すプログラムになる可能性が高い。昨年11月上旬に予定されていたアントの香港と上海での大規模なIPOを中国の規制当局が中止に追い込んだことで社員の士気は低下している。