
インフルエンサーとしてさまざまなメディアで活躍する岸谷蘭丸さんは、イタリアの名門大学の現役生であり、高校から米国へ海外留学した経験も生かして、海外留学支援サービス「MMBH留学」を立ち上げた実業家でもある。そんな彼に、「なぜ日本人は英語を話せないのか」を聞いてみた。(教育エディター 江口祐子、ダイヤモンド・ライフ編集部)
危機感があるようで、ない日本
――なぜ日本人は中学・高校で英語を勉強しているのに、うまく話せない人が多いのだと思いますか?
日本人が英語を話せない理由、それはシンプルで、「やる気がないから」。つまり、努力してないだけなんですよ。
みんな、なんとなく「英語しゃべれるようになりたいな〜」とは思ってる。けど、実際にちゃんと勉強してる人なんてほとんどいない。だから、しゃべれない。それだけの話なんですよね。
他の教科は結構できるのに、英語だけできないなんて、おかしいと思いません? 単純に、やってないからできない。
でも、それは文化的な背景もあると思うんです。これまで日本は経済大国で、多くの人にとって、英語を本気で学ぶ必要がなかった。GDPが世界2位の時代※、日本国内でほとんどが完結できていた。
最近は「日本はもう終わってる」って言われがちですけど、僕自身はそう思ってなくて。たしかに成長は鈍化してるし、課題も多いけど、それって日本に限った話じゃない。
むしろ、資本主義や民主主義みたいな今の世界を支えてる仕組み自体がちょっと限界を迎えてて、どの国もゆっくり下降フェーズに入ってるだけなんじゃないかな。そう思うと、日本だけが特別、終わってるとは思わない。だって、こんなにみんな真面目に働いて、秩序があって街もきれいな国が、簡単に終わらないでしょ。
だから、英語を本気でやろうっていうモチベーションも全体的に上がらないのかなと。危機感があるようで、心の底では「まだ大丈夫でしょ」って思ってる人、多いと思う。