米金融政策見通しが不透明な中で米国債利回りが上昇し、エコノミストや市場関係者の間では、連邦準備制度理事会(FRB)による一段と直接的な口先介入の必要性を指摘する声が出ている。米国債利回りは先週、急上昇した。長期金利の上昇は理論上、新型コロナウイルス感染流行から米経済が回復する上で、望ましからざる逆風を引き起こす恐れがある。ニューヨーク連銀のジョン・ウィリアムズ総裁をはじめとするFRB当局者は利回り上昇について、順調と見受けられる景気回復と整合性があり、FRBが対応する必要はないとの見方を示している。リッチモンド地区連銀のトーマス・バーキン総裁は先週、利回り上昇について、「明るさを増す景気見通しや(中略)、おそらく以前より安定しているインフレ見通しが背景にある」と述べた。これとは別に、アトランタ地区連銀のラファエル・ボスティック総裁も先週、心配はしていないとし、「われわれの政策に関して対応の必要性が出てくるとは予想していない」と語った。両総裁は連邦公開市場委員会(FOMC)で投票権を持つ。