米テキサス州ヒューストンで毎年開催されるエネルギー業界の国際会議「CERAウィーク」は長年、化石燃料を巡る議論が中心で、気候変動対策やクリーンエネルギーはかやの外に置かれていた。だが1日開幕した今年のイベントでは環境・社会・企業統治を意識した「ESG投資」や二酸化炭素(CO2)回収に話題が集中している。クリーンエネルギーに急速に移行する世界に、エネルギー業界が戸惑っている様子が浮き彫りになった。世界の業界幹部などが一堂に会するCERAウィークは、新型コロナウイルス禍の影響によりオンライン形式で開かれ、企業の最高経営責任者(CEO)や政府当局者が次々に低炭素化社会に向けた取り組みを論じている。マイクロソフトの共同創業者の1人で慈善家のビル・ゲイツ氏は、クリーンテクノロジーの新興企業やCO2回収技術を活用して環境に一段とやさしい世界を作ることを提唱した。アマゾン・ドット・コムの次期CEOのアンディ・ジャシー氏は、企業活動で消費する電力を再生可能エネルギーで賄う取り組みを説明した。世界的な石油大手数社は、一段とクリーンな未来に向けて「グリーンジャイアント」に変身する努力について詳述した。