野党の候補者一本化で
与党候補者に支持率で大差

 朴候補の選挙陣営にとって唯一の希望は野党側の候補者が乱立することであった。

 しかし、呉世勲、安哲秀両候補の実務交渉チームは23日に記者会見を行い、世論調査結果から呉候補が安候補を破って本選に進出することになった、と発表した。安候補側もこの結果を認めたという。それによりソウル市長選挙は朴候補と呉候補の一騎打ちの構図で争われることになった。

 朴候補は劣勢だが、選挙までにはまだ2週間ある。順当にいけば野党候補の優位は動かないが、この間に何が起きるかわからないのが韓国の政界である。今後可能性があるのが呉候補のスキャンダルの暴露であろう。

 その先例が18年に行われた南東部の蔚山(ウルサン)市長選挙である。

 市長選は現職で保守系の金起炫(キム・ギヒョン)氏と左派の宋哲鎬(ソン・チョルホ)氏で争われた。

 世論調査の支持率では当初、金氏が宋氏を10ポイント以上も上回っていた。だが、金氏側近の不正疑惑が提起され、最終的には宋氏が当選。その過程で当時曺国(チョ・グク)氏がトップを務めていた青瓦台民情首席室が介入した疑惑が浮上した。だが、その後の検察の捜査で、金候補の側近はいずれも「嫌疑なし」とされた。検察は宋氏を当選させるための青瓦台の工作だったとの疑いを抱いている。

 秋美愛(チュ・ミエ)前法相は検察幹部の大量移動を行ったが、その中にはこの事件を担当している検事もおり、政権によるもみ消し疑惑が野党から提起されている。

 文政権としては、ソウル市長選挙に何としても勝とうとするだろう。そのためこれから政権側がどう出てくるか予断を許さない。