東京電力福島第1原子力発電所の事故から10年余りが経過し、核燃料業界はその製品の見通しがようやく回復する可能性を慎重に織り込み始めている。  そうした楽観的見方の一部は既にカナダのカメコの株価に見て取れる。同社は、世界最大手のウラン生産者であるカザフスタンの国営企業カザトムプロムに次ぐ世界有数のウラン採掘会社の一つ。カメコの米国上場株は過去1年で約180%上昇し、2014年以来の水準に達している。  カメコの純利益が前年比で増加したのは、酸化ウランのスポット価格が1ポンド当たり35ドル超でおおむね推移していた2015以来。