――筆者のウィリアム・ウォーカー氏は元外交官、弁護士、作家で1972年から74年まで米連邦政府の「生活費評議会」の法律顧問兼副長官を務めた ***  米国がインフレ高進を最後に経験したのは1970年代だった。経済評論家はこの歴史上の出来事を正確に記憶しているが、真に理解はしてはいない。彼らの多くは、当時まだ生まれておらず、彼らのうち当時成人になっていた者はほとんどいない。当時の状況は、単なる不都合な状態などではなく、破滅的と言えるものだった。  1973年第1四半期の食料品の小売価格上昇率は年率30%近くに達した。農産物の卸売物価指数の上昇率は、年率52%となった。