巨大コンテナ船の座礁でスエズ運河の往来が滞っている問題で、エネルギー業界への影響が広がってきた。25日の時点で石油・ガスを運ぶタンカーを借りる際の用船料が跳ね上がっているほか、代替航路に切り替える動きも出ている。スエズ運河は紅海と地中海を結ぶ海運の要所。座礁船の移動作業はまだ続いているものの、業界関係者によると、すでに混雑している運河の入り口に新たな船舶が進入しているという。物流の回復には数日かかるとみられていることから、海運会社の間ではスエズ運河を迂回(うかい)する代替航路を探る動きが出ており、中東からアジア向けの一部タンカーの用船料は220万ドル(約2億4000万円)と、過去3日で47%急騰した。海運ブローカー、ブレーマーACMのタンカーアナリスト、アヌープ・シン氏が明らかにした。一方、欧州のある石油トレーダーは、地中海ではロシア産石油・ガスを迂回させるのに使用されるタンカーの借料が今週に入り25%上昇したと話した。