米国の新政権を挑発的な兵器実験で出迎える。これは北朝鮮の伝統的な戦術の1つだ。北朝鮮は25日、弾道ミサイル2発を発射。軍事力を誇示することで、就任早々の米大統領の注意を引こうとしたのは、これで4政権連続となる。その戦術はこれまで国際社会からさらに厳しい制裁が科されるなど、効果があったとは言い難い。だが、今回に関しては、金正恩(キム・ジョンウン)体制、バイデン政権の双方とも、相手に要求を受け入れさせる交渉材料をほとんど持っていないと言えそうだ。そもそも北朝鮮の兵器実験は、停滞している軍縮交渉に対する米政権のスタンスを著しく変えさせるには至っていない。北朝鮮はここ数年に短距離ミサイルを相次いで発射したが、米政権からあまり相手にされなかった。そのため、北朝鮮にとっては兵器技術を進展させる余地が広がった一方で、国際社会に与える衝撃の度合いも薄れている。
北朝鮮、米新政権にお決まりの「ご挨拶」 その効果は?
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