人種差別問題の実例を挙げる人は誰でも通常、米カリフォルニア州選出の民主党下院議員、テッド・リュウ氏に親身に話を聞いてもらえる。しかし、米公民権委員会のピーター・カーサナウ委員は違った。25日に行われた下院司法委員会の連邦判事の多様性に関する公聴会で、カーサナウ氏がハーバード大学によるアジア系米国人の入学希望者の扱いについてあえて言及したところ、腹を立てたリュウ氏に即座に黙らされてしまった。「無関係の話題を持ち出すな。アイビーリーグには連邦判事にいるよりも多くのアジア系米国人がいる。彼らはその代表にはならない。これは別問題だ」。リュウ氏はカーサナウ氏にぴしゃりと言い放った。文字通りぴしゃりとだ。カーサナウ氏は、アジア系米国人が連邦判事に少ないという意見に同意する流れの中で、ハーバード大学の入学選考問題について持ち出した。連邦判事の偏りの原因がハーバード大学などのエリート校にあり、したがって、そこから疎外されるアジア系米国人の数が増えれば増えるほど、連邦判事になるアジア系米国人は少なくなるというのが同氏の指摘だった。リュウ氏はカーサナウ氏が差別問題から話をそらすためにハーバード大について言及したとも主張した。しかし、リュウ氏の過剰な反応は事実がその反対であることを示している。
【社説】人種差別を都合良く政治利用する左派
米公民権委員会の委員は連邦判事の偏りの原因がハーバード大学などのエリート校にあると指摘
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