実は、日本の低い失業率は見かけ上のことなのだ。

 日本では雇用調整助成金によって休業者が支えられている。この支えがなれば、失業率は欧米並みに高まる可能性がある。このことは本コラム(2020年11月12日付け)「日本の失業率は3%ではなく7%では、『表面化しない失業者』の実態」などで指摘してきた。

 雇用調整助成金の支えが社会不安を抑えていることは事実だが、国への依存が経済活力を奪っている側面は無視することができない。

 ここで見た数字の多くは予測であってこの通りになる保証はない。しかし1つのあり得る可能性として、真剣に受け止める必要がある。

 コロナは日本の経済構造が持つ問題点を明らかにしたのだ。

 コロナ対策で目先の緊急課題が優先されることはやむを得ないが、それにとどまることなく、経済の構造改革を進める必要がある。

(一橋大学名誉教授 野口悠紀雄)

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