ホルムズ海峡「逆封鎖」に耐えられなくなった中国、米国・イラン停戦の鍵も握る?ホルムズ海峡に関連する米国の封鎖作戦を実施している米空母「エイブラハム・リンカーン」 Photo:Handout/gettyimages

中国がホルムズ海峡正常化をイランに要請
逆封鎖で大きな影響、高みの見物はできず

 アメリカとイランの停戦期限が約1週間後に迫り、双方の間で中断した和平交渉再開に向けた綱引きが続くなか、中国政府は4月15日、ホルムズ海峡の通航を正常化するようイランに要請した。

 これまで、米国・イスラエルとイランの軍事衝突やホルムズ海峡封鎖問題には、表向きは関与の姿勢は示してこなかった中国がここにきて動き出したのはなぜなのか。

「敵が過ちを犯しているときは、決して邪魔をしてはならない」

 これは、ナポレオンが述べたとされる格言だ。「相手がすでに誤った道を進んでいるなら、そのままにしておくことが自分にとって利益になる」という意味だ。

 英エコノミスト誌はこの言葉を引用して、米・イラン衝突を中国がこれまで静観していたのは合理的な行動だった、と評価した(注1)。

 確かにこれまではそうだった。イランの核兵器保有を軍事攻撃によって阻止しようとするトランプ大統領の戦略は、世界経済をこれまでなかったような混乱に陥れ、世界中からの批判が集まっている。あえて動かなくても、事態は米国と対立してきた中国にとっては有利になってゆく展開だった。

 しかし、ホルムズ海峡を巡る事態の変化、とりわけアメリカの「海峡逆封鎖」という措置によって、そうはいかなくなりつつある。

 中国は世界最大級の原油輸入国であり、その多くを中東に依存しているという事実だ。中東産の石油を抑えられることは、中国にとってエネルギー供給上重大な問題となる。

 だから、ホルムズ海峡の逆封鎖が長期化してイランからの原油の輸入が途絶えれば、中国は大打撃を受ける可能性があるからだ。

 トランプ大統領は21日、ホルムズ海峡の逆封鎖継続とイランとの「停戦延長」を表明したが、注目すべきは、ここにきての中国の海峡問題への積極関与がイランを動かし、さらには米国イランの停戦や和平交渉に影響を及ぼすことになるのかどうかだ。