中国都市のGDPランキングに異変
新型コロナウイルスにさんざん翻弄されてきた2020年もいよいよ最後の2週間に突入した。競争意識が強い中国の主要都市は、必死に国内総生産(GDP)を上げようと、ラストスパートをかけている。しかし、すでに大方、結果は見えている。各都市の統計局が公表した第3四半期のGDPの統計データを見ると、ある結果に私はやっぱりと言いながら、ため息をつくしかなかった。
というのも、中国主要都市の第3四半期までのGDPを見ると、20年度の中国都市GDPベスト10に、常連だった天津市が入れなくなりそうなのだ。現在のところ、長江経済ベルト地帯の主要都市である重慶と南京が台頭し、重慶は広州を抜いて4位、南京は天津を抜いてトップ10入りした。中国のメディアもこの変化を素早く取り上げ、南方地域との競争に完敗した北方地域という視点で中国主要都市の変化を見ている。
全体で見ると、一線都市(全国的な政治活動や経済活動などの社会活動で重要な地位にあり、指導的役割を備え、波及力と牽引力をもった大都市を指す)の上海と北京が上位2位をキープし、いずれも2.5兆元(約39.5兆円)を超えた。うち、上海が2.7兆元(約42.7兆円)で1位だ。ソフトウエアと情報技術サービス業、金融業、製造業の中の新興産業、新エネルギー自動車、新エネルギー、新素材、次世代情報技術などが成長している。
2位の北京は2.6兆元(約41兆円)だ。コロナ禍の影響を大きく受け、経済の回復は主に第三次産業、特に金融と情報業に依存している。
3位の深センは1.98兆元をキープし、1〜3四半期の平均成長率2.6%というのは一線都市の中でトップの実績を誇る。
4位は重慶だった。重慶市統計局が発表したデータによると、20年1~9月のGDPは前年同期比2.6%増の1.7兆元だ。現段階で見ると、重慶はすでに広州を231億元以上上回り、上半期の差は241億5400万元だった。通年で見ると、重慶は広州に代わってGDP第4位になる確率が高い。