Photo:NurPhoto/gettyimages
日本の輸入原油は大半が中東産なのに
WTIがガソリン価格を上昇させている
アメリカとイスラエルによるイラン攻撃を機にしたホルムズ海峡の封鎖で、原油価格が高騰、世界でインフレ加速の懸念などが強まる。
日本でも政府は3月19日からガソリン補助金を始めた。
レギュラーガソリンの全国平均価格のうち1リットル170円を超える部分について補助を行うもので、ガソリン以外の軽油や重油、航空機燃料なども対象となる。
ホルムズ海峡の事実上の封鎖が始まって約1カ月、この間、注目を集めてきたのが、アメリカで産出されるWTI原油先物価格の動向だ。
イラン攻撃が始まる前は1バレル60ドル程度だったが、攻撃が始まり、イランの反撃やホルムズ海峡が事実上、封鎖されると、一時119ドル台まで高騰、その後も、戦闘の拡大や停戦をめぐる双方の高官の発言などで乱高下を続けている。
日本でも3月以降、ガソリン価格が高騰した。石油元売り会社がガソリンスタンドなどに卸す価格は毎週改定されるが、その卸価格にはWTI先物価格が大きな影響を与える。
ところが、その関係は次の意味で分かりにくいところがある。
第一に、日本が輸入している原油は、そのほとんどが中東産の原油であり、例えば、ドバイ(UAE)で産出される原油については、日本を含むアジア向け中東産原油の価格指標として、プラッツ(Platts)社が評価するスポット価格がある。
第二に、WTIには先物価格の他に現物価格もあるが、重視されるのは先物価格だ。先物価格は、直接にはガソリンの原価にはならないはずだから、これを重視する理由も分かりにくい。
日本が輸入する原油のほとんどは中東産なのに、なぜWTIの価格が影響するのか? また、なぜ現物でなく先物の価格なのか?
このことは、いまの原油やガソリンの価格形成の実相を知るうえで重要であり、一方でガソリン補助金の問題点を示してもいる。







