世界保健機関(WHO)は30日、新型コロナウイルスの起源に関する報告書をようやく公表したが、その結論は待ったかいのないものだった。報告の内容は、中国共産党と欧米諸国の利害関係者の強い影響を受けた、まさに事実隠蔽(いんぺい)と呼ぶにふさわしいものだ。同報告は基本的に、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が最初に確認された武漢市で今年行われた国際チームの現地調査に基づくもので、新たな情報はほとんど含まれていなかった。しかし調査チームは、ウイルスの起源に関する四つのシナリオについて分析した。同報告の中で、感染起源に関し最も可能性が高いシナリオに挙げられたのは、コウモリから他の中間宿主を経てヒトに感染したというものだ。同報告によれば、次に可能性が高いのは、コウモリから直接ヒトに感染したという説だ。同報告はまた、中国政府が強く主張している三つ目の仮説について、あまりにも真剣に受け止めている。その説は、輸入冷凍食品を介してウイルスが中国に持ち込まれたというものであり、WHOはこの説について「可能性がある」ため、追加調査をする価値があるとの判断を示した。
【社説】武漢の事実隠蔽を許すな
新型コロナの起源に関するWHO報告は中国のプロパガンダと同列
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