ハイテク業界で拡張現実(AR)グラスの開発競争が熱を帯びてきた。日常生活に新たなテクノロジーの活用機会をもたらすとして期待が高まっている。ARとは現実の視界にデジタル視覚情報を重ねる技術だ。ナイアンティックの大ヒットゲーム「ポケモンGO」や購入したいインテリア家具を自宅に仮想配置できるツールなど、ここ数年スマートフォン向けのアプリに使われている。だがここにきて、この同じ技術を文字通り消費者の「目の前」で直接活用する方策を探る動きが本格化している。技術や倫理、コスト面での障害を克服できれば、この先何年にもわたりコンピューティング分野で新たな領域に道を開くことになりそうだ。フェイスブックは先月、指の動きを検知できるセンサー搭載の腕時計型ウエアラブル端末と並んで、ARグラスを開発していると明らかにした。メガネ型端末対応のソフトウエアおよびハードウエア開発向けの研究を推進する広範な取り組みの一環だ。その一歩として、フェイスブックは欧州のメガネ大手エシロールルックスオティカの「レイバン」ブランドと提携し、ハイテク機能を備えたスマートグラスを発売する予定だ。