グリーンランドで巨大レアアース(希土類)鉱山の開発を目指す中国の野望は、地元の政治的混乱に伴う壁にぶつかっている。グリーンランドは、米国が国家安全保障上で極めて重視している場所だ。  米国・中国・欧州連合(EU)は近年、グリーンランドの囲い込みを図ってきた。気候変動を受けて様相を変えつつあるこの地域で影響力を確保することが、その狙いだ。気温上昇で氷がとけたため、北極海の新たな航海ルートが開かれたり、この地域の資源開発が進んだりする可能性が出てきている。