グリーンランドで巨大レアアース(希土類)鉱山の開発を目指す中国の野望は、地元の政治的混乱に伴う壁にぶつかっている。グリーンランドは、米国が国家安全保障上で極めて重視している場所だ。米国・中国・欧州連合(EU)は近年、グリーンランドの囲い込みを図ってきた。気候変動を受けて様相を変えつつあるこの地域で影響力を確保することが、その狙いだ。気温上昇で氷がとけたため、北極海の新たな航海ルートが開かれたり、この地域の資源開発が進んだりする可能性が出てきている。中国のレアアース開発・生産最大手、盛和資源控股(ションホー・リソース・ホールディング)とオーストラリア企業1社が氷に覆われたグリーンランド南岸で鉱山開発の先頭に立っているが、この鉱山開発プロジェクトが環境に与える影響をめぐり論議が活発化する中で、グリーンランド自治政府は自治議会の解散総選挙を実施した。
中国の野望、グリーンランド・レアアース権益の行方
中国以外で世界最大級とされる鉱床開発、地元の反発と米国の関心が障害に
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