米国経済は、コロナ禍で持ち越されてきた需要の波と、過去1年間に政府が提供した数兆ドル規模の支援策のおかげで、数十年ぶりの速いペースで成長を遂げようとしている。だが、この好況の様相や持続期間、雇用への影響、インフレについての見通しは不透明だ。国内総生産(GDP)が今年の予想ほど急速に成長した時期は、人々の記憶に残っている限りではあまり例がない。また過去のそのような例では、経済の構図が現在とは大きく異なっていた。調査会社IHSマークイットが行った調査では、2021年第4四半期の実質GDP(インフレの影響を調整済み)のエコノミスト予想平均は、前年同期比6.7%増。この予想通りであれば、現在のように深刻な不況から脱却しつつあった1983年以来、最も強い成長となる。さらに、現在の予測はコロナ危機再燃の可能性を織り込んだ、まだある程度慎重な見方となっているため、これでも保守的な数字になっている可能性がある。
近づく米好景気、過去の例は参考にならず
経済の構図が現在とは大きく異なる
有料会員限定
あなたにおすすめ