中国の4月の工場出荷価格の上昇率は、原材料価格の急上昇を受けて3年半ぶりの高水準に達し、インフレ圧力が世界に広がるとの懸念が高まっている。モノとサービスの物価動向の指標である消費者物価指数の4月の数値は、前年同月比で0.9%上昇し、7カ月ぶりの高水準となった。中国国家統計局の11日の発表によると、工場出荷価格の指標となる生産者物価指数の4月の上昇率は6.8%で、2017年10月以来の大幅な伸びとなった。生産者物価上昇率は、ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)がまとめたエコノミスト予想の中央値6.5%を上回った。消費者物価指数の上昇率は予想通りだった。世界のサプライチェーン(供給網)の障害の長期化と一部新興諸国での新型コロナウイルス感染再拡大が、コモディティー価格の上昇要因になっている。それが中国の製造企業の利幅を圧迫している。これらの企業はコロナ禍を背景に世界市場で輸出シェアを拡大しており、今年も引き続き国外からの強い需要の恩恵に浴している。