コモディティー(商品)価格の上昇が、新型コロナウイルス禍からの世界経済の回復に欠かせない金属を供給する資源国に思いがけない経済的利益をもたらしている。鉄鉱石と銅価格は今週、いずれも過去最高値を更新。世界各国による巨額の景気刺激策が金属需要を押し上げているためだ。オーストラリアやチリなどの輸出国は、世界経済が金融危機を克服しつつあった10年余り前にも、中国をはじめとする大型インフラ投資の恩恵を受けてきた経緯があり、まさに「歴史は繰り返す」展開となっている。商品ブームは資源国の税収を押し上げており、コロナで必要となった医療サービスや経済支援の原資に振り向けることが可能だ。借り入れを減らすことで、将来の経済的な衝撃を吸収する体力も強まる。またコモディティーの値上がりは、輸出国の株式市場をけん引。英豪系資源大手BHPやリオ・ティントといった資源大手の収益を押し上げ、株主への増配につながる。