ETF買い入れ額を大幅縮小
4月、5月買い入れは一回
今年3月、日本銀行は「金融緩和の点検」を受けETF(上場投資信託)の年間買い入れ額のメドとしてきた「原則6兆円」を削除し、買い入れ対象から日経平均型ETFなどを除外した。
ETF買い入れを続けてきた中、日銀が日本株の最大の株主という異例の状況になり、株式市場の“官製相場”化などの批判が強まったことを受けたものだ。
黒田東彦総裁は、「ETFの買い入れを縮小する意図は一切ない」考えを強調する一方で「メリハリを付けて買う」と説明しているが、市場が買い入れ額の大幅減少を予想した通り、4月のETF買い入れは1回(701億円)だけで、5月は28日までに一度も買っていない。
日銀は明確に買い入れペースを落としているが、今後、保有ETFをどのように減らしていくのか、「出口」は見えず、最大の株主であり続ける状況で、ETF買い入れの政策コストやリスクをマネジメントするという経験のない課題が残っている。