バイデン米政権は10日、人工知能(AI)研究の促進を目的とする作業部会を立ち上げ、政府データを研究者に一段と開放する取り組みに乗り出した。重要な先端テクノロジー分野で米国の覇権を維持するための取り組みの一環だ。学者や政府、業界関係者ら12人で構成する「国家AI研究リソース作業部会」が戦略策定を担当し、研究者が人口動態から健康、運転のくせまで、米国民に関する政府データに一段とアクセスできるようする。またデータ解析に向けたコンピューティングパワーも提供し、全米の研究者がアクセスできることを目指す。AI開発には、機械学習を促進する大量のデータへのアクセスが鍵を握る。米政財界では足元、中国やロシアなどがAI分野で、米国の地位を脅かしているとの危機感が広がっている。背景には、これらの国がデータのアクセス拡大に注力していることがある。