石油パイプライン「キーストーンXL」の建設計画がとん挫したことで、米国とカナダを結ぶパイプラインの新規建設がいかに難しいかということが浮き彫りになった。建設に反対していた環境保護団体は決定に勢いづく一方、老朽化するインフラに頼らざるを得ない石油・ガス会社には大きな痛手となっている。カナダのTCエナジーとアルバータ州政府は9日、キーストーンXLの開発を断念すると発表した。10年以上にわたり、キーストーンXLなど複数のパイプラインを標的としてきた環境保護団体は、石油輸送を困難にすることで、化石燃料の使用を断つことを狙っている。キーストーンXLの成功で活気づいている環境団体は、最近では米国とカナダを結ぶ別のパイプラインにも手を広げている。