『独学大全──絶対に「学ぶこと」をあきらめたくない人のための55の技法』20万部を突破! 本書には東京大学教授の柳川範之氏「著者の知識が圧倒的」独立研究者の山口周氏「この本、とても面白いです」と推薦文を寄せ、ビジネスマンから大学生まで多くの人がSNSで勉強法を公開するなど、話題になっています。
この連載では、著者の読書猿さんが「勉強が続かない」「やる気が出ない」「目標の立て方がわからない」「受験に受かりたい」「英語を学び直したい」……などなど、「具体的な悩み」に回答。今日から役立ち、一生使える方法を紹介していきます。
※質問は、著者の「マシュマロ」宛てにいただいたものを元に、加筆・修正しています。読書猿さんのマシュマロはこちら

「ダメダメな性格のせいで読書が習慣化できない」を解決する3つの超意外な方法Photo: Adobe Stock

[質問]
 集中して読書をするために、どのような習慣をつけていくべきか、どのような本から読み始めるべきか教えていただけないでしょうか?

 私は今年30になります。大変恥ずかしい話なのですが、この歳になって自身の教養の無さを感じる場面が多くなってきました。

 しかしながら散漫な性格のせいで読書が習慣化出来ず、読もうと思っても集中して読み進める事が出来ません…。どのようなことから始めるべきでしょうか。またどのような本を読むべきか分かりません。

 もし宜しければ、まずはどのような習慣をつけていくべきか、どのような本から読み始めるべきか教えていただけないでしょうか。

百科事典の「知っている言葉」を読んでみましょう

[読書猿の回答]
 自分の無知を認めることは少しも恥ずかしいことではありません。せっかくのご相談なので、いくつか愚案を紹介いたします。

①読書を習慣づける最も強力な方法は社会的な力を用いる
 具体的には「この本を読みましょう」と呼びかけ読書会を主催することです。公言した以上嫌でも読まなくてはならなくなります。

②事典を読む
 ①は強力すぎるとすると、お勧めなのは事典を読むことです。事典は通読を予定していない書物なので読破する必要がありません。事典の一項目はそれぞれ独立しており、どんな書物よりも短いのですぐに読み切れます。また百科事典ならあらゆる分野の知識に触れることができます。おすすめは『独学大全』にも書きましたが、自分が知っていると思う項目を読むことです。たとえば「自転車」を知らない方はあまりおられないでしょう。しかし百科事典で「自転車」の項目を読むと必ず自分が知らない事柄が書いてあります。

③記録する、要約する
 もっと普通の本を読んでみたい(読み終えたい)というお話であれば、以前書いた次の記事が役に立つかもしれません。一冊を読み終えるのが難しい人を最後まで行けるよう支える、読書の手すりと読書の杖を紹介しています。

「本一冊を読み終えるのが難しい人」を最後まで行けるよう支える超シンプルな方法