最近「セカンド・ライフ」という言葉をよく聞くようになった。本来は、「定年退職後の第2の人生」を指していたが、昨今は全く違う意味の、別の言葉としてよく使われている。「多人数同時参加型の3D表示によるネットワークゲーム」のことである。

 インターネット上で展開される仮想空間に、参加者が自分の分身をつくり、その中で「第2の人生」を楽しむのが「セカンド・ライフ」だ。

 米国カリフォルニア州のインターネット企業、リンデン・ラボ社が2003年に運営を始めたオンライン・サービスで、2007年9月現在、950万人が登録しているともいわれている。仮想通貨「リンデン・ドル」を使用している。

 リンデン・ラボ社が公開してきたデータによると、「セカンド・ライフ」を楽しむ人たちの割合はアメリカ31%、フランス12%、ドイツ12%となっている。日本は13位で1.29%だから、今後日本人の参加が急増することは確実だろう。

 すでに、あるアンケートによると、日本における利用者のうちセカンド・ライフを「ほぼ毎日」楽しんでいる人は68%にものぼっている。また、1日にどのくらい楽しんでいるかとの問いに対しては「2、3時間」が26%、「1、2時間」が25%を占めた。

 年齢は「31歳から35歳」が25%、「26歳から30歳」が21%、「36歳から40歳」が18%だった。(SLguide.jpより)

企業サイトとの違いは「疑似体験」型

 既に多くの企業が「セカンド・ライフ」に注目している。

 トヨタやデル、三越、日本テレビ放送網、日本電気、富士通、マイクロソフト、スルガ銀行、博報堂、ベネッセコーポレーション、東芝、電通、小学館、角川グループホールディングス、オリックス不動産、大塚製薬といった、実に様々な業種の様々な企業が「セカンド・ライフ」内で広報や営業活動をスタートしているのである。

 たとえば、日産自動車の米国法人は、セカンド・ライフに「Nissan island」という、現実の世界ではあり得ない「自動車の自動販売機」を設けている。既に、1万7000人(2007年3月現在)がダウンロードし、試乗しているという。