ブログは個人のもの、という認識はもう古くなった。今では企業ももちろんブログを活用している。

 これだけインターネットが普及すると、たとえマスコミ関係者には好評を得たものであったとしても、実際の消費者にブログで酷評されてしまっては台なしになってしまう。

企業も活用し始めているブログ

 米国では、あるカメラメーカーがマスコミ等に正式に新製品の発表を公表する際には、カメラ・ファンに影響を持つブロガーに、その会社が「何か新製品を発表する」との情報を事前に与え期待感を高まらせる、といった手法がとられている。プログは狭義の広報手段と捉えるだけでなく、幅広いコミュニケーション、マーケティング、プロモーションの場として活用されているのである。

 日本でブログ対策の実例として有名なのは、日産自動車である。2004年にブログが開設され、今も続いている。書き手が個人として感じた情報を提供しているものだ。富士重工業の「スバルWebコミュニティ」も製品ユーザーにコミュニティへの帰属意識を高めているといえる。自動車に関する情報のほか、プレス発表の模様も垣間見ることができる。これらのブログの多くは、販売促進に関連したものである。

 そんな中、松下電器産業の「エコライフ・ブログ」はもともと同社の従業員と家族のエコライフを推進する「地球を愛する市民運動(LE活動)」事務局が主体となっているという珍しいブログである。

 自社でブログを開設しなくても、「ブロガーとの懇談会」等を開くことで、ブログの世界に影響を与えることもできるというわけだ。

社員、もと社員への対策も必要に

 さて、ブログに書き込まれる企業に関するコメントの多くは、実は会社関係者だとみられている。ブロガーの多くが社内にいるとすれば、企業はその対策として社内広報を重要視していかなければならない。