レビュー
大人向けの「勉強本」が活況だ。書店では何冊もの勉強本が平積みにされ、フライヤーでも多くの類書を扱ってきた。「人生100年時代」といわれる今、これまでのライフステージの概念は崩れつつある。ベストセラー『ライフ・シフト』では、「学校で学ぶ」「会社に入って仕事をする」「老後を迎える」という従来の3ステージは機能しなくなり、代わりに「マルチステージの時代」が来ると書かれている。生涯に2~3つのキャリアを持つことが当たり前になり、多くの人が人生で「キャリア間の移行」を経験する。昨今は副業や兼業を認める会社が急増し、その傾向が加速しているのはいうまでもない。マルチステージの時代を生き抜くには、変化を恐れず、学び続けることが不可欠である。
そんな時代にぜひおすすめしたいのが、勉強にまつわる名著100冊から「最速で結果を出せる勉強法」のエッセンスを抽出した本書『世界一やさしい超勉強法101』だ。まさに「勉強法・虎の巻」と呼べる一冊である。
著者の原マサヒコ氏は今やベストセラーを連発する売れっ子作家だが、かつては意外にも勉強が苦手で、高校時代は成績最下位だったという。しかし、社会人になってから「学び」に目覚め、新しいことを勉強し続けた結果、今の姿に行き着いた。勉強し続けることで人生を変えることを体現した張本人なのだ。
紹介されるメソッドは、いずれも「自分にもできるかも」と思えるものばかり。資格試験や大人の学び直しなど、一生楽しく学び続けるうえで、本書は心強いパートナーとなるだろう。(矢羽野晶子)