大分県で生まれ育ち、小・中・高と地元の公立校、塾通いも海外留学経験もないまま、ハーバード大学に現役合格した『私がハーバードで学んだ世界最高の「考える力」』の著者・廣津留すみれさん。ハーバードを首席で卒業後、ニューヨークのジュリアード音楽院に進学、こちらも首席で卒業。現在はテレビ朝日系『羽鳥慎一 モーニングショー』のコメンテーターとしても活躍しています。すみれさんが学び、実践してきた「考える力」を、いかに個人や組織で実践するか? 事例やエピソードとともに、わかりやすく紹介します。

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1つのタスクに集中して
5分間で終わらせてみよう

私が小さい頃から実践している習慣に「5分間メソッド」というものがあります。

1つのタスクに“5分間究極集中”して、必ず終わらせるというものです。

単純計算で、この5分間メソッドを12回くり返すと、1時間集中できることになります。

その日にやるべきタスクを効率的に片づけられる強力な武器になるのです。

必ず5分間でなければいけないというわけではありません。

人によっては3分間でも7分間でもいいと思いますが、私の場合は5分単位がいちばん集中できるので、そうしています。

ハーバード入試のように大きなタスクでも、やるべきことを細かく分割して、5分単位でコツコツとタスクをこなすことで合格できました。

私は、仕事と勉強、プライベートを問わず、どんな大きなタスクでも、この5分間メソッドを駆使して効率的にゴールへたどり着いているのです。

一方で、私たちのまわりにはYouTubeやLINE、さまざまなネット情報など集中力を乱す要因がたくさんあります。

そこで、スマホで5分間のタイマーをセットして、その間はスマホの通知やメールも無視。

たとえ誰かから話しかけられても、「あと2分だけ待って」などと断りを入れて、とにかく5分間は集中するのです。

私は高校時代、英単語を覚えるときにも「よし、次の5分間で50個覚えよう」などと決めて取り組んでいました。

バイオリンの練習をするときも、やはり5分単位のタスクに分割して取り組んでいました。

同じことを長い時間続けていると、だんだん集中力がなくなってきます。

5分間だけ集中するというのは、裏を返せば、5分以上1つのことに取り組まないという“割り切り”でもあるのです。

もしあなたがスマホゲームやネットサーフィンなどに、時間を浪費しているという自覚があるのなら、タイマーを活用して1回5分間までと決めてみましょう(3分間でも7分間でもいいです)。

楽しい時間はあっという間にすぎますが、それでも一定時間で割り切る習慣は、おのずと身についてきます。

先日、ニューヨークで活躍しているピアニストとチェリストのご夫婦にお会いして、この5分間メソッドについてお話しする機会がありました。

すると2人は、「私たちが練習する方法と同じだ!」と驚いていました。

面白かったのは、ご夫婦の場合、音楽の難しいフレーズを練習するときは、あえて4分間のタイマーをセットして、「つい夢中になって練習しすぎるのを防ぐ」というお話でした。

タイマーが鳴ったところで「いったん終わりにしよう!」と気持ちを切り替えているそうです。

このように、自分の好きな時間で区切って物事に集中して取り組んでみることをおすすめします。