ひろゆきが教える「嫌なことを忘れる画期的な方法・ベスト1」【書籍オンライン編集部セレクション】ひろゆき氏(撮影:榊智朗)

現在、テレビやYouTubeで圧倒的な人気を集める、ひろゆき氏。代表作である著書『1%の努力』では、その考え方について深く掘り下げ、人生のターニングポイントでどのような判断をして、いかに彼が今のポジションを築き上げてきたのかを明らかに語り、「柔軟な考えを知り、ラクになった」「人生の優先順位の付け方がわかった」など、多くの読者の支持を集めた。
この記事では、ひろゆき氏にさらに気になる質問をぶつけてみた。(構成/種岡 健 初出:2021年7月14日)

「悩み」の9割はあなた自身のせい

――多くの人の悩みは「嫌なこと」に関することが多いですよね。

ひろゆき氏:そうですね。でも、よく話を聞いてみると、「自分のせい」でもあるんですよね。

――どういうことでしょうか?

ひろゆき氏:「嫌なこと」って、嫌だった「事実」だけなんですよね。それは客観的に見ればわかります。たとえば、人とぶつかって痛かったら、「痛みが生じたこと」が事実です。お店で出てきた料理がおいしくなかったときは、「800円損した」が事実です。

 人の悩みの話を聞くと、この「事実」の部分だけを見ることができます。でも、これが自分のことになると、さまざまなことがくっついてくるんですよ。

――どんなことがくっついてきますか?

ひろゆき氏:さっきの例で、ぶつかった相手の場合、「謝ってこないのが気に入らない」「自分の苦手な顔をしていた」「着ていた服が気に入らなかった」「隣にいた彼女も許せない」……、というふうに、考えれば考えるほど、「嫌なこと」が膨らんできます。

 おいしくない料理もそうです。「せっかく遠出したのに」「他の料理と迷ったのに」「お腹を空かせて歩いたのに」「食べログを見ればよかった」「お店に入った瞬間に雰囲気がよくなかった」……、というようなことが頭にどんどん出てくるんですね。

 そうやって、「嫌なこと」は「自分のせい」によって、どんどん大きなものになっていきます。事実の雪玉が転がっていって、どんどん大きな雪だるまになっていき、最後は怒りや悲しみで何も手につかなくなってしまうんですよね。それって、「ある対処法」によってセルフコントロールすべきだと思うんです。

「それって、事実はなんだっけ?」

ひろゆき氏:まず、やるべきことは、「事実」だけを見ることです。「肩にあたって痛かった」「まずい飯で800円損した」。それだけを考えます。頭の中で、「事実はなんだっけ?」と振り返ってみて、紙に書いたりしてもいいでしょう。

――ひろゆきさんの場合は、それを無意識にやっているんですかね?

ひろゆき氏:そうですね。悩み相談をする人は、人に話すことによって、それをやるわけです。自分1人でできない人が多いんですよね。人から「それって、○○なだけだよね?」と言われて、ハッと気づくんです。

 ただ、世の中には「愚痴を言いたいだけ」「聞いてもらいたいだけ」という人も多くいます。人とぶつかった話をしたときに、「そいつの顔が気に入らなくてさ~」「隣の彼女の態度も許せなくてさ~」ということを話したくてしょうがないんです。

 その場合、その人は「対処法」を求めているわけではありません。「わかる、わかる」「そうだよね」「ムカつくよね」と、「共感」を求めているだけです。ちなみに、ここがよく男女の話が噛み合わないポイントだったりします。男女に限らず、「対処法を求める人」と「共感を求める人」は、そもそも会話が成り立たないので、相手がどっちのパターンかを見極めるのが大事です。

「ポジティブ」になるのは無理だから

――よくある話ですね……。

ひろゆき氏:で、ここで取り上げているのは、「嫌なことをどうにかしたい人」ですよね。つまり、対処法を求めている人です。

 その場合は、「事実だけを見るようにする。そして、さっさと他のことを考える」。

 これしかないですよね。事実にくっついてくるモヤモヤが頭の中に出てくるときも、「事実はなんだっけ?」と立ち返るだけです。「嫌なこと→事実を考える」というように、すぐに思考できるようにすることです。これはクセにするしかないですよね。

――すぐにはできないかもしれないですね。

ひろゆき氏:「ポジティブになれ」と言っているわけではないんですよ。人とぶつかったときに、すぐに「よかった~。ケガしなかった~」と考えるような人もいますが、それはおそらく「性格」や「遺伝」によるものでしょうね。楽観的な人は、元から楽観的ですから。あまりそういう人のアドバイスは役に立ちません。

 そうではなく、事実の解釈を変えるだけですから、ネガティブ思考の人だったり、うつっぽい人だったり、自分に自信がない人だったりしても、おそらくできることだと思いますよ。

ひろゆき
本名:西村博之
1976年、神奈川県生まれ。東京都に移り、中央大学へと進学。在学中に、アメリカ・アーカンソー州に留学。1999年、インターネットの匿名掲示板「2ちゃんねる」を開設し、管理人になる。2005年、株式会社ニワンゴの取締役管理人に就任し、「ニコニコ動画」を開始。2009年に「2ちゃんねる」の譲渡を発表。2015年、英語圏最大の匿名掲示板「4chan」の管理人に。2019年、「ペンギン村」をリリース。主な著書に、45万部を突破した『1%の努力』(ダイヤモンド社)がある。