加えて、環境要因として、商品関連のプロダクトやテクノロジーの著しい発展が、市場の需給を見えにくくさせていることが事態を分かりにくくしている。関連プロダクトを扱う金融マンにとってはこれがチャンスになっている。ブローカーやヘッジファンドら市場の仲介者やトレーダー達は、現在の傾向を加速させようとするだろうし、それは、彼らの合理性に叶っている。

 これらだけでバブルが起こるというものではないが、バブルのために必要な条件が整っているということは言える。この事情は、サブプライム関連の証券化商品の場合とよく似てもいる。

バブルは金融的な要因によって
引き起こされてきた

 バブルは、しばしば、景気変動のような実物的な要因よりも、金融的な理由によって起きているのではないだろうか。新しい金融テクノロジや、金融プロダクトは、リスクの存在を分かり難くして、そのリスクに関する取り扱いのミスを引き起こす。そして、やがてはバブルを起こして、次にその崩壊を導くことが多い。

 たとえば、1987年10月に起こったブラックマンデー(世界的株価の暴落)の直接的な原因は、ポートフォリオインシュランス(相場下落への防衛として、安定した資産運用を目指す投資手法)の存在と、その将棋倒し的な発動だったことが今では知られている。

 一方、1990年代の日本の株バブル崩壊の背景には、その前の日本にあって新しい運用形態として持ち上げられた金融商品である特金(特定金銭信託)・ファントラの隆盛と「握り」(利回り保証の俗称)の慣行の横行といった、本来のリスクを誤認させる金融制度要因があった。昨年までの不動産ミニバブルの背景にも、REITという“新顔”金融商品の登場とこれによる金融資金の不動産市場への誘導、「REITは安全だ」というリスクの誤認(片棒を担いだ論者は黙りを決め込んでいるが)などがあった。

 今回もし商品バブルを食い止めようとするならば、最後の手段は、金融引き締めしかない。しかし、金融引き締めは、ことに現在のような状況では、実物経済にショックを与える可能性が大きい。すると、また金融緩和が行われて、今度は別のバブルが起こるのだろうか。

 この種のあまり賢くない連鎖が延々と続くのだとすると嫌気が差すが、強欲をエンジンとしてこれにギアを噛ませて拡大する経済メカニズムに対して、「ほどほど」を求めることは難しいことのようだ。