米半導体大手ブロードコムのソフトウエアへの移行は決して容易ではなかったが、その取り組みが始まって以来、困難さは増すばかりだ。それはブロードコムの直近の取り組みに顕著に表れている。ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)は12日、ブロードコムが株式非公開のソフトウエア会社米SASインスティテュートを最大200億ドル(約2兆2000億円)で買収する交渉を行っていると報じた。だが13日午後、交渉に終止符が打たれた。SASのオーナーが心変わりしたためだ。関係者がWSJに語ったところでは、非効率性を排除して収益を最大化することを旨とする半導体メーカーと、待遇に寛容なSASの文化がどう融合するのか、SASの一部従業員が懸念を示していたという。同社オーナーは、毎週水曜日にノースカロライナ州の本社キャンパスでチョコレート菓子「M&M」を大量に無料配布しているという。