シモーン・バイルス選手は競技に臨める精神状態ではなかった。既に落下し、足首を痛めていた。それでも試合を続けようとしたが、続ければ自らを危険にさらすことが明らかになった。決断が下され、バイルス選手は途中棄権した。2013年に米国内の競技会で起きた出来事だ。8年後、東京五輪に臨んだ史上最高の体操選手は27日、今の精神状態では安全な演技もチームとしてのメダル獲得も難しいと述べ、体操女子団体総合決勝を棄権した。翌日、2連覇が有力視されていた個人総合の決勝も棄権した。バイルス選手は世界の注目が自分に集まっていることを知っていた。棄権すればどう評価されるかも嫌というほど分かっていた。それでも決断した。
「やめなければ」 米体操女子バイルス棄権の舞台裏
競技に臨める精神状態ではなかった
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