マツモトキヨシPhoto:Diamond

コロナ禍から企業が復活するのは一体、いつになるのだろうか。上場100社超、30業界を上回る月次業績データをつぶさに見ると、企業の再起力において明暗がはっきりと分かれている。前年同期と比べた月次業績データの推移を基に、「嵐」から「快晴」まで6つの天気図で各社がいま置かれた状況を明らかにする連載「コロナで明暗!【月次版】業界天気図」。今回は、4~6月度のドラッグストア編だ。

マツモトキヨシが「3カ月連続増収」でも
好調と言えないワケ

 ドラッグストアの主要5社が発表した4~6月度の月次業績データは、以下の結果となった。

◯ツルハ(ツルハホールディングス〈HD〉)の既存店売上高
 4月度:前年同月比98.8%(1.2%減)
 5月度:同98.8%(1.2%減)
 6月度:同97.5%(2.5%減)

◯ウエルシア(ウエルシアホールディングス〈HD〉)の国内ドラッグストア既存店売上高
 4月度:前年同月比98.7%(1.3%減)
 5月度:同104.3%(4.3%増)
 6月度:同102.3%(2.3%増)

◯コスモス薬品の既存店売上高
 4月度:前年同月比88.7%(11.3%減)
 5月度:同94.0%(6.0%減)
 6月度:同95.8%(4.2%減)

◯マツモトキヨシ(マツモトキヨシホールディングス〈HD〉)の既存店売上高
 4月度:前年同月比101.6%(1.6%増)
 5月度:同102.9%(2.9%増)
 6月度:同100.8%(0.8%増)

◯サンドラッグのドラッグストア事業_既存店売上高
 4月度:前年同月比97.6%(2.4%減)
 5月度:同98.9%(1.1%減)
 6月度:同95.7%(4.3%減)

 今回取り上げている5社の21年6月度業績に注目すると、前年実績を超えられた2社(ウエルシア、マツモトキヨシ)と、前年実績割れを起こした3社(ツルハ、コスモス薬局、サンドラッグ)の3社に分かれている。

 しかし、上記を見て「前年割れを起こしたツルハ、コスモス薬局、サンドラッグは不調」と捉えるのは早計といえる。実は、5社のうち最も不調なのは、、21年4〜6月で「3カ月連続増収」を達成しているマツモトキヨシなのだ。そのワケを解説しよう。