アフガニスタン政府が昨年、米国からの圧力を受けて渋々釈放した反政府勢力タリバンの元囚人らが、足元で激化する政府軍との戦いに再び加わっていることが分かった。南部の主要都市ラシュカルガーへの攻撃を指揮しているタリバンのモーラビ・タリブ司令官も、和平協議を進展させたい米国の意向を汲んで釈放された元囚人の一人だという。アフガンや欧米の当局者が明らかにした。アフガンでは目下、駐留米軍の完全撤退を前に、タリバンが全土で勢力を伸ばしており、戦場に復活したタリバン戦闘員の存在は、守勢に立たされているアフガン政府と米国との間で新たな火種になっている。アフガン当局者によると、南部ヘルマンド州の州都であるラシュカルガーでは3日、米軍の空爆や米軍が訓練したアフガン特殊部隊による反撃の後も、激しい戦闘が続いている。タリブ司令官の下で、数百人のタリバン戦闘員がここ1週間に市内中心部に向けて進軍した。3日には、ラシュカルガーの刑務所を襲撃し、戦闘員として勧誘する目的で囚人を脱走させている。