米経済界のリーダーたちは、感染力の強い新型コロナウイルス「デルタ株」流行を受けて、米経済の勢いを維持するには従業員のワクチン接種を進めることが必要との認識でおおむね一致している。だが、これをどう実行するかを巡っては意見が割れている。ボーナスなどの「アメ」をちらつかせて接種を促すところもあれば、従業員に接種を義務づける企業も出てきた。小売り大手ウォルマートやマイクロソフトなど一部の米企業は最近、主にオフィス勤務を再開するホワイトカラーを対象にワクチン接種を義務づけた。食肉大手タイソン・フーズは3日、さらに踏み込み、全従業員を対象に11月1日までの接種を命じた。タイソンのドニー・キング最高経営責任者(CEO)は米従業員およそ12万人に向けたメモで「軽い気持ちでこの決定を下したわけではない」と説明した。「何カ月も接種を呼びかけてきた――現時点で接種したのは半数に満たない」