コロナ禍2回目の夏
全国558カ所の海水浴場を独自調査

 8月も中旬、多くの地域ではお盆真っ盛りのはずだ。連日の暑さで絶好の水遊び日和……と言いたいところだが、新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、去年に続いて今年も多くのレジャー施設や海水浴場が入場制限を行ったり、開設中止となったりしている。

 環境庁では例年、全国の海水浴場(川、湖沼の水浴場を含む。以下、海水浴場と表記)の水質調査を行っている。しかし今年も去年に引き続き、コロナ禍で水質調査結果の取り扱いが異なることなどを理由に中止となった。

 そこでダイヤモンド編集部のデータ班では、各都道府県にヒアリングしたデータ、または各都道府県が開示したデータを基に、「水がきれいな海水浴場が多い都道府県ランキング」を独自に作成した。

 ランキングの対象となっているのは、全国で558カ所の海水浴場、35の都道府県だ。また、東京都(2021年は水質調査を実施せず)、奈良・徳島県(2021年は開設する海水浴場なし)、香川県(開設する海水浴場なし)、沖縄県(非開示)、千葉・神奈川県(7月27日までに回答がなかった)の都県については対象外としている。

 水質の判定基準は四つある。(1)水の汚れを示す化学的酸素要求量(COD、mg/リットル)、(2)糞(ふん)便性大腸菌群数、(3)透明度、(4)油膜の有無で、水がきれいな順に、適(AA、A)、可(B、C)、不適の5種類で格付けされている。

 本ランキングでは、『水がきれいな海水浴場ランキング2021【全401カ所・完全版】』で取り上げた水質格付けが最高位の「AA」の海水浴場の数を各県ごとに集計し、その数が多い順に並べている。水質AAの海水浴場数が同じ場合、水の汚れを示す化学的酸素要求量(COD)の平均値が低い都道府県を上位として扱った(この平均値は、各都道府県の「水質AAの海水浴場」のみの数値を対象に計算している)。

 なお、現在は感染力が強い「デルタ株」が猛威を振るうなど新型コロナウイルスの感染が再拡大しており、本原稿を書いている8月5日時点では緊急事態宣言の対象地域が東京、埼玉、千葉、神奈川、大阪、沖縄の6都府県。また、まん延防止等重点措置も北海道、石川、兵庫、京都、福岡の5道府県に適用されているほか、8日からは福島、茨城、栃木、群馬、静岡、愛知、滋賀、熊本の8県が追加されることになっている。

 さらに、8月1日には全国知事会が緊急提言をまとめ、国民向けに「都道府県境をまたぐ旅行・帰省等の原則中止・延期」を呼び掛けている。海水浴場の利用については、こうした状況を踏まえてくれぐれも慎重に判断してほしい。

 上述の通り、本ランキングでは、川や湖沼の水浴場も対象としているので、海がない県に住む人もぜひ参考にしてほしい。それでは早速、ランキングを見ていこう。