風向きを見極めたいなら、ジョー・マンチン上院議員(民主、ウェストバージニア州)を当てにすべきかもしれない。7月の米雇用統計の発表を翌日に控えた5日、マンチン氏は連邦準備制度理事会(FRB)に対し、景気過熱を回避するため刺激策を縮小するよう訴えた。多岐にわたる人々から上院で最も影響力のある男と呼ばれ、ワシントンで最もパワフルな「ジョー」とささやかれるマンチン氏は目下、民主・共和両党の議席数がきっ抗する上院で、異例の発言力を発揮している。マンチン氏の主張は今回の雇用統計によって説得力が増した。7月の非農業部門就業者数は94万3000人増と、ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)がまとめたエコノミスト予想を約10万人も上回る伸びを示したほか、失業率は予想の5.7%に対し、5.4%に低下。過去2カ月分も合計で12万人近い上方修正となった。