新型コロナウイルス後の消費拡大で恩恵を受けると思われる企業の株を買う前に、次の問いを考えてみてほしい。あなたはパンデミック(世界的大流行)中の貯蓄を支出に回すだろうか?2021年の経済指標は目を見張るものになるだろう。先頃公表された4-6月(第2四半期)のユーロ圏域内総生産(GDP)は前年同期比13.7%増加した。米国も同様に高い伸びを記録。全体を押し上げたのは年率11.8%増となった個人消費支出(PCE)で、昨年7-9月(第3四半期)に続き、1952年以降で2番目の高水準となった。投資家も政策担当者も、ペントアップ需要(繰り越し需要)が一気に実体化することで力強い成長が持続すると見込んでいる。米家計の純資産は、失業保険の特例加算や景気刺激策の現金支給により、コロナ禍で18兆ドル(約1984兆円)増えた。欧州安定メカニズム(ESM)の研究者らによると、2020年にユーロ圏家計の貯蓄超過は6000億ユーロ(約77兆8000億円)に上った。これは2019年のGDPの5%に相当する規模だ。このうち、45%は支出機会の喪失によるものだった。