中国遼寧省の高級人民法院（高裁）は10日、麻薬密輸罪に問われたカナダ人のロバート・シェレンバーグ被告に対する死刑判決について、上訴を棄却した。米国の要請を受けたカナダ当局が中国の通信機器大手、華為技術（ファーウェイ）の最高財務責任者（CFO）を逮捕したことに関連し、この裁判は地政学的な注目を集めている。高級人民法院はシェレンバーグ被告が組織的な麻薬密輸に関与し、200キロ以上の覚せい剤をひそかに中国に持ち込んだと判断。中国版ツイッター「微博（ウェイボー）」上で、下級審の審理で示された当初の証拠は「信頼に足り、十分」な内容だったとした。30代後半のシェレンバーグ被告は2014年の逮捕以降、裁判を通して無罪を主張し続けている。同被告の弁護士からは今のところコメントは得られていない。