貿易、台湾や南シナ海などをめぐり、米国と中国の外交上の不和は、周知の事実だ。しかし、ある新たな問題が表舞台に上りそうだ。中国が歴史的に類を見ないほど大陸間弾道ミサイル(ICBM)を増強していることだ。アントニー・ブリンケン国務長官が6日のASEAN地域フォーラム(ARFR)の閣僚会議後に出した声明には、米国が長年反対している中国の行動の一部が列挙されたが、そこに新たなものが加わった。国務省の報道発表によると、「長官はまた、中国の核戦力の急速な増強に深い懸念を示し」、この核増強が「中国政府が最小限の抑止力を基本とした何十年前の核戦略から著しく逸脱していることを浮き彫りにする」と指摘した。この問題はようやく、正式に外交トップの国務長官が注目する格好となった。民間の衛星写真は過去数週の間に、中国の甘粛省と新疆ウイグル自治区の砂漠地帯に広範囲にわたって並ぶミサイル格納施設と思われるものが存在することを明らかにしていた。米軍当局者は以前から中国による戦力増強に警告を発していた。