ソフトバンクグループ(SBG)は、中国のハイテク業界に対する取り締まりの動向を注視しており、当面は新規投資を控える方針を示した。中国政府によるハイテク部門の締め付けが投資業界に影響を及ぼしていることを示す最新の事例といえる。10兆円規模のファンド「ソフトバンク・ビジョン・ファンド(SVF)」を運用するSBGは、中国のスタートアップ企業への積極的な投資姿勢で知られる。だが足元では、投資先企業について中国の規制当局が反競争法的慣行や消費者保護、データセキュリティー問題などを巡り調査を開始したことで、そうした投資価値の多くが急速に低下している。SBG最高経営責任者(CEO)の孫正義氏は、東京で開いた決算記者会見で、中国での取り締まりがあまりにも予測不可能で、広範囲に及んでいるとして、同社と傘下のファンドはリスクがより明確になるまで中国での投資を大幅に控える計画だと明らかにした。